マ・クベ

2000年2月18日 人物辞典
マ・クベ
キシリア・ザビ配下のジオン公国突撃機動軍大佐。副官はウラガン、部下にはクリンク・バイス・ラング・ヘイブなど。

ジオン軍の地球侵攻作戦では資源採掘地帯オデッサの基地司令となり、資源採掘・輸送、基地防衛などを統轄していた。
また占領地では、任務の傍ら骨董品蒐集に努めており、特に北宋期と推定される白磁の壺は彼の寵愛を集め執務室に多く並んでいる。
また基地の防衛に努める一方、地球連邦軍の副将エルランに内通を促すなど優れた策謀家としても活躍した。
このように軍人としての功績はあるが、計算高い性格の上に情が薄く、官僚的で政治的な駆け引きには長けるものの、任務達成のためなら手段を選ばない狡猾な印象が強い。
ただしその策はしばしば詰めが甘く、また失敗した際の備えも疎かであった。

ガルマ・ザビの仇討ちのため地球に降下したランバ・ラル隊にも、一旦は十分な補給を保証するものの、政治的な理由からその約束を反故にしたり、ソロモンから脱出して来た兵士たちを見捨てようとするなど、黒い三連星やバロム大佐から「前線に立つ兵士たちの気持ちが分かっていない」と批判を受けていた。
また、独自の軍服(というより階級章付きの私服に近い服装)を常用していることからも、その気質が武人ではなく(悪い意味で)文人に近いことがうかがわれる。骨董マニア。

鉱山基地の一つを督励に訪れたキシリアと共にモビルアーマー・アッザムを操縦してガンダムとの交戦を経験。
特殊兵器アッザム・リーダーで高周波攻撃をかける。
一旦はガンダムを出力低下に追い込むも、リーダーが破壊されるとあっさり敗退、キシリアの命で基地を将兵ごと爆破処分し、その隙に辛うじて逃走に成功した。

特殊部隊による「故意にレーダーだけを残した」破壊工作、ついでグフとドップの時間差攻撃でガンダム・ガンキャノンとホワイトベースを分断しての各個撃破作戦、さらにホワイトベースに「わざと無傷にしていたレーダー索敵によるドップからの避退」を許してメガ粒子砲陣地の射線上に誘い込み砲撃を浴びせる、という三段構えの周到かつ執拗な策で、ホワイトベースを大破着底させる鮮やかな知略を見せた。
しかし、ホワイトベース隊の苦し紛れの偽装工作に引っかかり、止めを刺すのを怠っている。

グフ+ドダイYS・ドップで編成されたクリンク隊に命じてマチルダ・アジャン中尉のミデア隊によるホワイトベースの救援阻止を謀り、空中からの猛攻でミデア隊だけでなくガンダムまで窮地に立たせる。
しかし、ミデア隊が運んできたGファイター+ガンダム・ガンキャノンの反撃でクリンク隊は全滅、結局ホワイトベース隊は救援を受けて立ち直ってしまった。
さらに、ドズル・ザビ配下のランバ・ラル隊には鉱山採掘の実態を知られないよう非協力的な態度で通し、キシリアが派遣してきた黒い三連星とも全く反りが合わず、結局彼らは独走の果てに撃破され、あたら優秀な人材と貴重なMS戦力を浪費してしまった。

地球連邦軍がオデッサ作戦を決行した時は、事前に内通していた連邦軍のエルラン将軍を裏切らせようとしたが、直前に内通は露呈、エルランの造反を頼って兵力を割いていなかった方面から防衛線を突破されてしまった。
最後の切り札として、南極条約で禁止された核による攻撃を示唆し連邦軍を恫喝。
レビル将軍が脅しに乗らないと見るや迷わず水爆ミサイルを発射したが、これはガンダムによって空中で弾頭部分を斬り落とされ、失敗に終わった。
マ・クベ本人は(将兵の大半を置き去りにして)マダカスカルで宇宙へと脱出。
その際に本国に送った十分な鉱物資源で「ジオンはあと10年は戦える」と豪語している。
しかしこの後半年足らずでジオンは敗北し、彼の言葉はただの負け惜しみとなってしまった。
ただ異説もあり、本国に送った鉱物資源はわずかな数量であり、残りはキシリアの突撃機動軍の拠点グラナダに隠蔽していたとも、彼が送った鉱物資源はデラーズ・フリートやアクシズひいてはネオジオンが抗争を行うときに用いた(この間13年)とも言われている。

その後、地球連邦軍によるチェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)によって陥落の危機に陥ったソロモンに対する救援艦隊の司令となり、グラナダを発する。
救援の途上、脱出してきたゼナ夫人(ソロモン基地司令ドズル・ザビの正妻)、ミネバ・ラオ・ザビ(同長女)の脱出ポッドを見捨てようとして、同乗していたバロムの諫言で渋々救出するも、ソロモンの救援という本来の目的はタイミングを逸して果たせずに終わる。
しかしこの時既にホワイトベースが掃討作戦に参加することを見越していたのか、バロムをグラナダへ戻るグワジンに残して自らはチベに移り、ソロモン撤退兵力の吸収任務に就く。
そこには後述されるシャア・アズナブルへの対抗意識と、中央アジア以来のガンダムとの因縁にケリをつけんとする彼なりの意地もあった。

テキサスコロニー近辺で専用の試作モビルスーツ・ギャンに搭乗。
ニュータイプの片鱗を見せ始めていたアムロ・レイの搭乗するガンダムとの一騎打ちをした。
この時マ・クベは小惑星を爆破したり、ガンダムを誘い込んだコロニーのエアロックに爆弾を仕掛けたり、コロニー内に浮遊機雷をばらまいたりといつも通り様々な策を弄した。
これはガンダムやその武装を確実に消耗させる理にかなう行為であったが、例によって詰めが甘く、かえってアムロを怒らせて闘志を高めてしまった。
この時、ゲルググに搭乗したシャアから加勢の申し出もあったが、キシリアに重用され始めていた彼を快く思っていなかったことから、これを断っている。

マ・クベはギャンで善戦したが徐々にガンダムにパワー負けし始め、ついにビームサーベル二刀流で左右から機体を切り裂かれ、戦死した。
その際、「いいもの」と評するほど寵愛していた白磁の壷をキシリアへ献上するようウラガンに託す有名な最期の言葉を残している。
しかし、その後行われた周辺宙域での戦闘によってウラガンがデラミン艦隊ごと戦死したため、この望みすらも果たされなかった。

シャアはマ・クベの戦死を「付け焼き刃(のパイロット)に何が出来ると言うのだ」と嘲笑し、またキシリアもかつては重用した彼の死を少しでも気に掛けたような描写は一切無く、マ・クベのテキサスコロニーでの死闘ばかりか、彼の人生そのものさえ全て無駄に終わってしまったと言えるだろう。

安彦氏の新解釈では与えられた職務に見合うよう階級が中将とされている。
美術・歴史等の文化全般に造詣の深いインテリ型の軍人へと拡大解釈されている。
そうした背景から、人類の今後の文化活動の中心を地球から宇宙に移動させようという理想を持っており、そのために地球の文化財を獲得するため連邦との戦争継続を願っている。
開戦初頭、ジオン軍の中でも地球寄りであったがために連邦との講和を全権委任されており、それを利用しようとするキシリア・ザビなどとの駆け引きも描かれている。
オデッサ作戦終盤では戦術核でレビル本隊を壊滅させようとするが、アムロのガンダムによって阻まれ、自らの責任において敗北を認める。
“敗れた場合は連邦の各都市に向けて核ミサイルを放つべし”とのギレンの密命を「(ジオニズムなど)白磁の名品一つにも値しない」と握りつぶし、自らMSギャンを駆ってグフ部隊と共に殿軍を務め、勇戦振りを見せた(アムロのガンダムとは直接戦っていない)。
そして黒海から砲撃を続ける連邦水上艦隊に単機迫り、これを道連れに壮絶な自爆を遂げた。
ウラガン等部下達の脱出を見届けた後、「いいもの」発言が最期の言葉となったが、死を強いられた状況での絶叫に近かったものとはかなりニュアンスが異なっている(単なるモノへの執着やキシリアへの偏愛ではないものになっている)。

■搭乗機
MAX-03 アッザム
YMS-15 ギャン
MS-07B グフ

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/より抜粋。

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機動戦士ガンダム公式Web
http://www.gundam.jp/

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